2006.07.19. 時計分野の特許及び実用新案出願の動向
最近特許庁が分析した時計技術と関連した特許及び実用新案の出願動向によると、毎年少しずつ減少しており、携帯電話など時間がわかる機器などが多数登場しながら時計自体の技術よりもデザインとファッション開発に重点を置く傾向があるものと見られる。 即ち、時計を駆動する根本的な技術よりは外形や機能を改善する単純な技術などが主従をなしており、特許よりは実用新案登録出願がさらに大きな比重を占めている。
時計の歴史を見てみると、14世紀初めに重錘とギヤの回転で時間を表示する初期機械式時計の登場に次ぎ、振り子及びぜんまいにより駆動される時計が開発され、1929年には水晶に電気を加えると一定の振動数で振動する原理を応用した電気時計が開発され、現在までも最も多く使用されている。
ところが、最近は時刻表示以外の付加機能を有する出願が少なくない比重を占めており、例を挙げると、交通カード機能、DMB受信機能、GPS機能、害虫退治機能などが付加された時計がそれである。興味深い出願では、起床時にソフトなブラシなどで皮膚に刺激を加えたり、先生の音声で起こす時計、金属ボールを内蔵してゴルフのスウィングを矯正する時計、電磁波吸収体が備えられたウェルビングなど多彩である。
技術分野別には、‘時刻を表す指示手段、時計ケース、他の機器と複合された時計及び美的効果を出す時計’など消費者の多様な要求に対応される技術が全体出願の63.4%を占める。
機能性を強調していた日本のセイコーは、‘時計の未来がない’と診断したことがあるが、ファッションを強調したスイスの時計業界の輸出量は毎年10%以上増えており、時計の名品ブランドのジュエリーと有名時計業界の時計が結合された多様な製品が先を争って市場に出資されている点から見て、今後時計産業はデザイン開発が勝負の主要関鍵になるものと見られる。
<表1>内/外国特許および実用新案出願件数 出願年度 | 特許出願 | 実用新案出願 | 合計 | 外国人 | 内国人 | 内/外国含む | 2001 | 33 | 36 | 113 | 182 | 2002 | 46 | 23 | 94 | 163 | 2003 | 31 | 25 | 80 | 136 | 2004 | 19 | 27 | 69 | 115 |
図1.時計技術の内/外特許および実用新案出願数の推移
 <表2>時計の技術分野別出願動向(2001年~2004年) 時計技術分野(IPC) | 出願件数 | 百分率 | 視覚手段による指示装置(G04B 19) | 105 | 17.6% | 聴覚的時刻信号発生装置(G04B 23) | 21 | 3.5% | 時計ケース(G04B 37) | 40 | 6.7% | 美的効果を出す時計(G04B 45) | 68 | 11.4% | 他の器機と結合された時計(G0B 47) | 90 | 15.1% | 視覚的表示手段(G04G 9) | 21 | 3.5% | 音響的時刻信号発生装置(G04G 13) | 33 | 5.5% | その他 | 218 | 36.6% | 合計 | 596件 | 100.0% |
(出典:特許庁報道資料) |